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Zの意味
●NikonのZレンズ
数年前に巨額な費用を投じて購入した老眼アシスト付きメガネ(そのexpensiveさから、ベンツメガネと名付けていた)。
数年で老眼が進行し、手元が見れなくなったので別途老眼鏡を使用していた。さらにつらくなったので、中近レンズのメガネをZoffで購入して常用していた。つまり二刀流ではなく三刀流になっていた。付け替えるのも面倒だし、持ち歩くのも面倒。なによりじじむさい。
そんなことに日夜懊悩していた私は、Zoffの中近レンズが調子が悪くないので、ベンツメガネのフレームを生かすべく、このフレームに合う中近レンズを購入するために伊勢丹メンズ館に足を向けた。
そう、そこは(経験上)日本で一番財布のひもが緩む場所。店員も、高額消費を前提とした接客をしてくる。提示されたNikonのZレンズというのは、私の想定していた予算感の4倍以上もするexpensiveレンズだった。普段は吝嗇な私も、伊勢丹メンズ館のパワーには力及ばず、思わず購入してしまった。
ChatGPTさんによると、このフレームとレンズの組み合わせは、「知的で洗練された印象をキープしながら、高性能Zレンズの“脳に優しい視界”を得るという『外見も中身も仕上がってる一本』」とのこと。2週間後が楽しみだ。
●日露戦争におけるZ旗
司馬遼太郎の名著『坂の上の雲』にも出てくる、日本海海戦におけるZ旗。
「皇国の興廃この一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」という指示が出された。『坂の上の雲』においては、「この海戦に負ければ日本はほろびるのだという具合に理解し、わけもなく涙が流れた」という戦艦の砲員のエピソードが述べられている。
しかしここでは、藤子不二雄の自伝的マンガ『まんが道』を挙げたい。
藤子不二雄がまだ駆け出しのころ、連載が何本も決まって、相当気合を入れて乗り切らないといけないときにZ旗を部屋に掲げて頑張ったエピソードが描かれている。ちなみに、そのときは気合で乗り切ったが、その後実家に凱旋帰国してから気が抜けてしまい、連載を落とすというストーリーがあるのだが、ここでは割愛する。
●将棋におけるZ
将棋界では、「相手にどれだけ王手されても、自玉が絶対に詰まない状態」をZと表現する。最終盤でしばしば出てくる用語で、解説者がよく「先手はいわゆるZなので、後手の玉を詰ませにかかるでしょう」などと言う。
我々の人生で言えば、「自分が仕事を辞めても絶対困らない状態」がZだろう。自分が死んでも家族が困らない状態は、人為的に生命保険で実現できるが、単に仕事を辞めてしまう状態は、生命保険では担保できない。生活費に見合った収入や資産が必要である。
人生の後半戦に突入して、そろそろ周囲にZに見える人が増えてきた。
子供が大きくなってきたのが大きい。会社で出世or独立起業で成功して、相応の資産を築いている人もいるようだ。親の財産を相続するというケースもあるだろう。年金支給年齢も(そもそもこの制度がどこまで持続可能かという論点はあるが)日々近づいている。
人生は将棋ではないので、仮にZになったところで勝利ではない。そもそも人生における勝利ってなんだ?
Zになり得る人材は、ビジネスで成功していることが多いので、有能である。そんな人材が、Zになったという理由で仕事のやる気を失ってしまうと、社会的損失である。Zになったとしても、意欲を失わずに自分のミッションに邁進していけるのが良い人生のように思う。
経済的な不安が解消された状態でありながらも、精神の緩みを招かないガッツを保つ。気合を込めてZ旗を掲げる気概と、詰まない安定感の中で挑戦を続ける姿勢。その両方が揃ったときに初めて、人生における勝利をつかんだと言えると思う。違うかな。



