使えない財務分析指標
お陰様で、私の書いた財務本は売れに売れて、発売後7カ月で3000
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ご購読いただいた皆様、本当にありがとうございます。
また、アマゾンレビューでありがたいコメントをいただいた皆様、
深く感謝申し上げます。
概ね、過分なご評価をいただいておりますが、中には★1つという
辛い採点のものありました。
これは、お友達ばかりではないことの証左とも言えます。
ありがたく受け入れております。
さて、いわゆる財務分析本を読むと、納得のいかない指標が多く
記載されています。
本稿において、いくつか紹介します。
この類では最初期に勉強するであろう指標に、流動比率というのが
あります。
流動比率÷流動負債で算出します。
これが100%を上回ると、短期的な支払義務を上回る資産があるため、
安定性が高いと評価されます。
算出の方法もシンプルであり、メッセージ性もあるため、よく使われ
ます。
しかし、財務運営上の日々の努力は、いかに売掛金を回収して減らすか、
いかに在庫を減らすか、にあります。
この流動比率という指標は、その努力に対して逆メッセージになります。
経営者は、流動比率を高めるために、売掛金回収や在庫札減の努力を
怠りかねません。
この指標を重要視することは、本来行うべき企業努力を怠ることになり
ます。
それが、私の言う逆メッセージです。
結論、使えない指標であるというのが私の評価です。
もう一つ、噴飯ものの指標をご紹介します。
インタレストカバレッジレシオです。
営業利益÷支払利息で算出します。
営業利益でどの程度支払利息を賄うことができるかを表した指標です。
大きければ大きいほど良いというメッセージです。
これは、自己資本比率を見ることで、ほぼ同じ判断をすることができます。
自己資本比率ではわからないことは、あるとすれば、支払利子率の要素
です。
しかし、当たり前ですが、財務安定性と支払利子率は反比例しますので、
自己資本比率で財務安定性を見れば、支払利子率についても概ね判断
できます。
営業利益は、毎期の景況感などによって変動します。
一方、支払利息は安定的に推移します。
こんなに変動するものと変動しないものを比較することに意味が全く
わかりません。
というわけで、これも使えない指標であるというのが私の評価です。
財務分析本を読めば、各種指標が出てきますが、どれが本当に使えるか、
自分なりに考えながら読むことをおススメします。