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清原氏と仰木氏

清原氏がジャイアンツからオリックスに移籍するときの話です。

当時清原氏は、ジャイアンツからこっぴどい仕打ちを受けて、

心が折れまくっていました。

そのときに、当時オリックス監督の仰木氏が何度もアプローチ

してきて、結果としてオリックスに移籍しました。

清原氏は当初このアプローチを断るつもりで、大阪の料亭で

仰木氏と会ったらしいです。

清原自身は、まだ野球選手としてやれるという自信はあった

らしいですが、客観的に見て、もう賞味期限切れの

ベテラン選手であることは自覚していました。

「なぜ、そんなに僕を欲しがってくれるのですか?」

と聞いたところ、仰木氏は、

「キヨ、お前の男気に惚れたんや!」

と答えたらしいです。

仰木氏は頭を畳にすりつけて清原氏に依頼し、結果として移籍が

決定しました。

ここで仰木氏が言う「男気」は、知る人ぞ知る清原氏の一言による

ものです。

話は1988年10月19日に遡ります。

清原氏が高卒で西武ライオンズに入って3年目のことです。

その年、西武ライオンズと近鉄バッファローズはデッドヒートを

繰り広げていました。

当時、仰木氏は近鉄の監督をしていました。

その年の10月19日、近鉄はロッテとのダブルヘッダーに臨みます。

二連勝すれば近鉄の勝ち。

初戦を勝ち、二戦目は大熱戦の末、引き分けで西武の優勝が決まり

ました。

テレビ朝日がスポンサーの了解を取りつけ、ニュースステーション

の放送を取りやめてこの試合の中継をしました。

「パ・リーグの一番長い日」と評される非常に印象的な試合でした。

清原氏の所属する西武は、日本シリーズも勝ち切って日本一になりま

した。

その祝勝会のインタビューで、清原氏は「これで近鉄の皆さんに顔向け

ができます」と語りました。

これを見た仰木氏が、なんて男気のある奴なんだ、と心を打たれたと、

その著書で述べています。

冒頭の仰木氏が言う男気とは、このことを指します。

清原氏がオリックスに移籍したのが2005年。

その発言から17年が経っていました。

仰木氏は移籍の直前に物故したため、清原氏と同じチームでプレイする

ことはありませんでした。

たった一言が、ある人の心を打ち、20年近くたって、その人に骨を拾って

もらうことにつながるという人生の玄妙さに、感動を覚えます。

清原氏の引退後の行状はご存知の通り。

このような美談は今後は語られることはないでしょうが、いつまでも私の

胸に生きています。